こんにちは、Tina(ティナ)です。
日本で長くクラフトのワークショップに関わってきました。
今はアメリカで暮らしながら、手を動かす時間の楽しさを発信しています。今回は少しうれしくなるような気づきがあったのでブログに残します。
先日、アメリカのアップサイクル系のクラフトショップで、何気なく一枚の布を買ったんです。値段は1.5ドル。色褪せもシミもなく、定価を考えると驚くほど格安です。
特別な理由があったわけではなく、
ただ「かわいいな」「どこか懐かしいな」と思って、つい手に取ってしまいました。子どもの頃、家のどこかにあったような気もするし、
テレビや雑誌で見ただけなのかもしれない。
はっきりした記憶じゃないのに、ふっと昔の空気がよみがえる。
そんな瞬間、ありませんか?まさにその感覚に惹かれて、連れて帰った布でした。
そして軽い気持ちで、その写真を撮ってThreadsに載せてみたんです。
「懐かしい!このキャラ覚えてる?」と。想像していなかったほど、たくさんの記憶
アメリカンなキャラだし、在米の日本人の方に少し共感してもらえたらうれしいな
くらいだったのですが、返ってきた反応は想像以上のものでした。
「小さいころにこのお人形買ってもらいました」
「子ども部屋の家のカーテンがこれでした」
「今も座布団カバーにして使っています」
「そのお店でバイトしてました」・・・etcたくさんの方からのコメントにひとつひとつ目を通すたび
それぞれの言葉の奥に、その人の暮らしが見えたような気がしました。
誰かの家のリビング、子ども部屋、お母さんが選んだ布。
私はその方のことを知らないのに、不思議と景色が浮かんでくるんです。単に「懐かしいキャラクター」の話で終わると思っていたのに、
モノをきっかけに記憶がよみがえり、
それをいっしょに共有できる時間そのものが、とにかくうれしくて。電話と手紙しかなかった、あのころの私たち
さきほどのキャラクターで共感していただけるとしたら
わたしたち、きっと同じ年代ですね。
考えてみると、私たちが若かったころ、
想い出を共有できる相手はとても限られていましたよね。家族や友達に直接伝えたり、
電話や手紙で伝えたり。それが今は、住んでいる場所に関係なく、
同じ時代を生きた誰かと
「わかる!」「うちもそうだった!」
と、つながることができる。これは、昔にはなかった感覚だと思います。
それぞれ違うところで違う人生を歩んできたのに
同じ何かを見て、同じように心が動く。そこに争う気持ちもなければ、正解もありませんよね。
最近のSNS、ちょっとしんどいなと思うこともあって
実は、最近のSNS、
正直ちょっとしんどいなと思うこともありました。キラキラした投稿を見ては、
「すごいですね〜」って
心の中でつぶやいて、そっと閉じる日もあったりして(笑)。人は人。自分は自分。それでいいはずなのに。
懐かしい話も誰かにとっては全然つまらない話だし、
まあそういう人は読まなくていいんだけどね、なんて思ったりもしていました。だから今回みたいに、
何の気負いもなく
「懐かしい!」って言い合える時間が、
思った以上に心地よかったんです。対面で会えなくなったからこそ
アメリカに来てから、
日本にいた頃のようにワークショップや講座を開くこともなくなり、
子どもたちや生徒さんと、対面で会う機会がなくなりました。誰かの手の動きや、表情を見ながら話す時間。
作品が完成した瞬間の、あのふわっと軽くなる空気。
そういうものから、少し距離ができてしまった感覚もあります。だからなのかもしれません。
私は、SNSで誰かと触れ合うこと自体は、けっこう好きなんです。完成した作品じゃなくても、
思ったことをぽつんと置いておける。
そこにコメントがつく。
顔は見えなくても、ちゃんと温度を感じる。SNSは、ただの道具。いい塩梅で付き合うこと
今はスマホもあって、情報もあちこちに転がっていて、
本当に便利な時代です。SNS、役に立つことはたくさんあります。
でも、万能ではありません。
向き不向きもあるし、疲れてしまうこともある。
やらなければいけないものでもない。使い方次第で、
誰かを比べる場所にもなるし、
誰かの人生に、そっと耳を傾ける場所にもなるから
いい塩梅で付き合うのがよさそうです。今回はたまたま、
Threadsは「懐かしい」を安心して語れる場所でした。
そこに同じ思いをはせてる人が共感できたらそれでじゅうぶん。懐かしい、を共有できる場所があるということ
Raggedy Ann &Andy (ラガディ・アン&アンディ)思い出しました? 1.5ドルの布が、
こんなにもたくさんの記憶を連れてくるとは思いませんでした。でもきっと、私たちの暮らしのまわりには、
まだたくさんあるのだと思うんです。
触れたら、想い出がよみがえってくるモノ。
語りたくなる時間。
そして、それを受け取ってくれる誰か。懐かしい、を共有できる場所があるということ。
それは、とてもささやかで、
でも確かに、人生をやさしくしてくれるもの。古い布を使い続けることも、
懐かしい気持ちを大切にすることも、
私にとっては、同じ「アップサイクル」なのかもしれません。今日も最後までお読みいただきありがとうございました。
懐かしい、を共有できる場所があるということ
暮らしと挑戦


