こんにちは Tinaです。
私は昔から、手を動かして何かを作る時間が好きでした。
布、毛糸、紙、木、絵の具、、、
素材に触れていると、頭の中にぼんやり浮かんでいたものが、少しずつ形になっていく。
その過程が、たまらなく好きです。
そんな私のものづくりの中でも、今もとくに大切に育てているのが
編まずに・縫わずに作れるマフラー「Moflee®(モフリー)」です。(以下モフリー)
今ではワークショップとして多くの方に楽しんでいただき
アンバサダーさん(ワークショップ講師)たちと一緒に全国へ広げているモフリーですが
最初からワークショップにしようと思って始めたものではありませんでした。
はじまりは、家族で暮らしていたアメリカ・ミネソタ州の寒い冬。
小学生だったころの娘の誕生日パーティーでした。
この記事では、モフリーが生まれたきっかけと、私がものづくりを通して大切にしていることを
少しゆっくり書いてみようと思います。

はじまりはミネソタの、凍えるような冬でした
モフリーのはじまりは、家族で暮らしていたアメリカ北部・ミネソタ州の冬でした。
ミネソタの中でも私たちが住んでいたのはカナダとの国境近く、地図にも載らない小さな田舎町。1年のうち約9ヵ月が冬で、その冬の間はほとんどマイナスの世界でした。そんな中子どもたちは元気に学校に通い、スキーウェアで登校はもちろんマイナス20℃くらいでも校庭を遊んだり、、、想像をはるかに超える寒さは 日本で経験してきた「寒い冬」とは、まるでレベルが違いました。
その地域に根付いた人々から防寒対策のことを色々と教わりながらの生活はとても新鮮でした。外に出る時はもちろん、車に乗る時も、スポーツ観戦に行く時も、家の中にいる時でさえ、温かくすごすコツや生活の知恵をたくさん教えてもらいました。
そんな暮らしの中で、自然と身近になったのがフリースという素材でした。
軽くて、あたたかくて、扱いやすい。
家でも、車の中でも、外出先でも——暮らしのあちこちにある素材でした。
モフリーの原点は、アメリカの手芸店や友人宅で出会ったフリースブランケット。冬になるとフリース生地でブランケットを手作りするご家庭も多く、特別な技術がなくても家族で楽しめる冬のクラフトとして親しまれていたように記憶しています。
私もこのブランケット、いくつか作りましたが本当にあったかいの!
そんなミネソタでの暮らしの中で、私はフリースという素材に、ごく自然と親しむようになっていきました。

娘の誕生日パーティーで生まれた、小さなひらめき
ある年、娘の誕生日パーティーを開くことになりました。
せっかくみんなが来てくれるなら、ただ遊ぶだけじゃなく、一緒に何かを作れたら楽しいよね!
そう思ったのが、モフリーのワークショップの原型につながる最初のきっかけ、クラフトパーティーでした。
冬に見慣れていたフリースブランケットのように、手軽に作れて、子どもたちがその場で完成できるもの。でも、ブランケットより小さくて、持ち帰りやすくて、日常で使いやすいもの。
そう考えて思いついたのが、フリースで作るマフラーでした。
- 冬に使える
- 色や柄を選ぶ楽しさがある
- 完成したらすぐに首に巻いて楽しめる
- 何より、自分で作ったものを身につけられる
そこから私は夢中になって、いろいろなフリース生地を集め始めました。
どんな色がかわいいかな
どんな柄なら子どもたちが喜ぶかな
どうしたら短い時間でも完成できるかな
娘のパーティーのために考えた小さなアイデアが、少しずつ形になっていきました。

編まずに、縫わずに——「私にもできた」を感じてほしくて
マフラーというと、多くの方は編み物を思い浮かべるかもしれません。
でも、子どもたちが集まる誕生日パーティーで、編み針を使って一から編むのはハードルが高いし、ミシンも、針と糸も、みんなが使えるわけでもない。
そこで考えたのが、編まなくても、縫わなくても作れる方法でした。
フリースは切りっぱなしでもほつれにくく、やわらかくて扱いやすい素材。その特徴を活かせば、子どもでもきっと使いやすいはず。
作り方はできるだけシンプルに。
完成した時には「自分で作った!」と思えるように。
色選びや組み合わせには、自分らしさが出せるように。
そんなことを考えながら、試行錯誤を重ねていきました。 ヒントになったのは手芸店で見かけたフリースブランケット!実際に作ってみて、扱いにくいところを直し、もっとかわいく見える方法を探し、子どもが寝静まった夜にまた試行錯誤して。
私にとって大切だったのは、難しい技術を教えることではなく——
子どもたちが「作るって楽しい」「私にもできた」と感じて帰ってもらうこと
それだけでした。


そして誕生日パーティーは大成功!
子どもたちは思い思いのマフラーを作って嬉しそうに持ち帰ってくれたのでした。

その後、このマフラー作りは子どもたちのアイスホッケーの大会でも販売されるほどちょっとしたブームに(笑) 子供たちがすすんで作り手となってチームカラーで作るマフラー屋さん、懐かしい思い出です。
帰国後も忘れられなかった、”もふもふ”のあたたかさ
その後、しばらくして主人は駐在を終え、家族で日本に本帰国しました。
久しぶりの日本、アメリカでの暮らしとは、何もかもが違いました。
ミネソタでは当たり前のようにどこにでもあったフリース生地も、日本では種類も少なく、なかなか見つかりません。 あの頃のように、気軽にたくさんの生地を集めることも難しくなりました。
それでも、冬になるとあのマフラーを作りたくなって。
そのころはこれで起業しようとか、広めようとか、そんなことは全く考えていませんでした。
ただ、冬になると楽しかった思い出がよみがえって自然と生地を探しに行く日々。
あるときそんなことを友人にその話をすると「それワークショップがあったら作りたい!」と。
え、ワークショップ?
まだ「Moflee®(モフリー)」という名前もない頃の話です。
その声にピピっとときめきをもらった私は、あの時のマフラー作りをもう一度見つめ直し、少しずつ改良を重ね、近所のハンドメイドマーケットに出てみることにしました。
ワークショップってどうやったら楽しんでもらえるんだろう?
子どもだけでなく大人にも楽しんでもらえる形にするには?
そこから色の組み合わせ、パーツの形、仕上がりのバランス
——何度も試しながら、今のモフリーの形が生まれていきました。
Moflee(モフリー)という名前には、もふもふしたあたたかさと、身につけた時のフリースのやさしい感触の意味を込めて名付けました。

「私にもできた!」—私がものづくりでずっと大切にしてきたこと
私がものづくりで一番大切にしているのは、完成度の高さではありません。
もちろん、かわいく仕上がることは嬉しい。
お気に入りの色で自分らしいマフラーができたら、それだけで気持ちが明るくなるでしょ。
でも、それ以上に大切にしているのは——
作っている人が「私にもできた」と思える瞬間です。

最初の小さなハンドメイドマーケット。
「編まない・縫わないマフラー」という言葉に、最初はみなさん不思議そうな顔をしていました。
編まない?縫わない?……どういうこと?
でも実際に手を動かし始めると、空気が変わりました。
夢中になって作る手が止まらない。完成したマフラーを首に巻いて、嬉しそうな顔をする。
そして聞こえてきたのが——
「もう一本作りたい!」
マフラーはそんなにたくさん必要なものでもないのに。
続けてこんな声も聞こえてきました。
「今度は誰に作ろうかしら」
その言葉が、私の中で大きく響きました。
作ること自体が楽しくて、もう一度やりたくなる。自分のためだけじゃなく、誰かのために作りたくなる。難しくない。でも、ちゃんとしたマフラーになる。あったかくて機能的で、色のバリエーションは無限大——。
もしかしたら、これは子どもよりも、大人こそ一番楽しめるクラフトなのかもしれない。
これを育てていこう。
そう決めたのは、あのマーケットでの光景があったからなのかもしれません。
ものづくりが得意な人だけが楽しめるクラフトではなく、手芸に苦手意識がある人でも、子どもでも、久しぶりに何かを作る大人でも、気軽に手を動かせるもの。そんな入口でありたい、いつしかそう思うようになったのです。
作り方はごくシンプル。
なのに、色選びや巻き方ひとつで
できあがるマフラーは十人十色。
だからこそ、誰でも「自分だけの一本」が作れるのです。
ワークショップでは、最初は不安そうな方も少なくありません。
「不器用なんです」「手芸はあまり得意じゃなくて」「ちゃんとできますか?」
そんなふうに言っていた方が、作り進めるうちに表情がやわらかくなり、完成したマフラーを首に巻いた瞬間に笑顔になる。
その瞬間がいつも愛おしくて。
モフリーを続けてきてよかった、と思う瞬間です。
ものづくりは、上手に作ることだけが目的ではないと、私は思っています。
その全部が、ものづくりの楽しさであり醍醐味なんです。

ワークショップを通して、広がるものづくり
モフリーは、少しずつワークショップとして広がっていきました。
親子で楽しんでくださる方、お友達同士で参加してくださる方、大人のクラフト時間として楽しんでくださる方——。
同じ材料を使っていても、完成するマフラーはひとつひとつ違います。
明るい色を組み合わせる人、落ち着いた色でまとめる人、親子でおそろいにする人、”推しカラー”で作る人——色選びには、その人らしさが出ます。
そしてワークショップでは、作品だけでなく、その場に生まれる会話や空気も大切な時間になります。
「その色かわいいですね」「思ったより簡単!」「もう一本作りたい!」
そんな声が自然と聞こえてきて会話が自然と弾んでくることもしばしば。
モフリーはただのマフラー作りではなく、人と人をつなぐ時間にもなっているのだと感じます。
現在は、モフリーを一緒に届けてくれるアンバサダーさんたちも増え、それぞれの地域でワークショップを開催してくださっています。
ただどれだけ形が広がっても、私の中で変わらないのは最初の気持ちです。
特別な技術がなくても、「作るって楽しい」「私にもできた」と思える時間を届けたい。
モフリーは、そこから始まったクラフトなのです。
これからも、ものづくりの入口を作り続けたい
ものづくりというと、「上手に作らなければいけない」「センスがないとできない」「道具をそろえないと始められない」——そんなふうに感じる方もいるかもしれません。
でも私は、ものづくりはもっと気軽でいいと思っています。
✔ 完璧じゃなくてもいい
✔ 少し曲がっていてもいい
✔ 色合わせに迷ってもいい
✔ 誰かと同じじゃなくてもいい
自分で選んで、自分の手で作って、完成したものを見て嬉しくなる。 その体験が暮らしの中に少しあるだけで、毎日が少し楽しくなる気がします。
モフリーは、そんなものづくりの入口でありたいと思っています。 子どもにも、大人にも、手芸が得意な人にも、苦手だと思っている人にも。
「作るって楽しい」と感じてもらえるきっかけを、これからも届けていきたいです。
モフリーの詳しい内容やワークショップについては、公式サイトでもご紹介しています。

今回はモフリーというわたしが始めたクラフトの話でしたが、このブログでは、ものづくりを通して私が大切にしていることや、日々のクラフトライフのことを、これからも少しずつ綴っていけたらと思っています。
「作るって楽しい」「私にもできた」—— そんな小さな喜びを、誰かの暮らしの中にそっと優しいスパイスとなってお届けできますように。
今日も最後までお読みいただきありがとうございました。

